コスプレ感覚で文楽を否定されてもね

文楽への補助金について
これまでの事業内容を見れば文楽の収支はマイナス(赤字)である。
先達は赤字だから文楽をなくしてしまえとはせず
大前提として文楽を継続維持管理していくためには
税の投入が必要であるという立場をとってきた。
ところが昨年秋に選挙で選ばれた橋下市長が
補助金の撤廃をぶちあげた。
税収が減り、赤字が膨らんできた財政を立て直すためだという。
ここで問題が生じてきた。
時の首長の個人的見解(好き嫌い等)で「文化財」への補助金を削除することが認められるのかどうかということである。
文楽に何ら価値を認めぬ人はこの施策を是とする。
文楽など文化遺産にに価値を認める人はこの施策を否とする。
そもそも、文化遺産の存否が4年に1回交代する(再選されて交代しない場合もあるが)首長の個人的見解で決まっていいものかどうかということである。
国の、あるいは世界の文化遺産の存否が、時の首長の薄っぺらな見解で左右されるとすれば、もはや人間社会に文化というものは根を張っていかない。
もちろん、税収がゼロというなら、税金の投入はできない。
仮にそうなれば、文化遺産に価値を認める人は、放ってはおかないだろうが。
ただし現状は、文楽への補助金を削減しなければ市政が成り立たないというほど、巨額の補助金が投入されているわけではない。
結局、橋下市長の目論みどおりに補助金削除が実施され、徐々に文楽が衰退していくとすれば、私たち市民は、とんでもない首長を選んでしまったという大きな歴史的悔恨を残すことになるだろう。
ただ、あと3年もすれば首長選挙がある。
よくよく考えて投票したい。