本気でそんなことやるか?猟奇小説でもあるまいに

何とも、酷い事件が起こった。

2016年7月26日午前2時ごろ、26歳の男が、居住者が寝静まった施設へナイフを持って侵入、無抵抗の「障害者」を次々に襲った。首部を主に狙い、19人を刺し殺し、26人に切り傷を負わせたのであった。

男は、今年の2月まで、この施設に勤めていたという。2012年12月に同施設に採用され、2013年4月には常勤職員として働き始めたというから、3年ほど勤めていたことになる。

なぜ男は「障害者」施設を襲ったのか。わからない。

いわゆる健常者と呼ばれる一般の人は「男は精神障害者である」とレッテルを貼って、自分たちとは違う人種だと思いたいだろう。しかし、男は薬物による「精神異常者」であったかもしれないが、「精神障害者」とは言えない。

男は大学を卒業し、教師の道を進もうとしたが、教師には採用されなかった。でも、そのような若者はいくらでもいる。志望が叶わなかったから殺人を犯したわけではあるまい。

わからないなりに想像すれば、薬物利用によって精神が蝕まれた、と言えようか。今年2月に、衆院議長公邸に土下座をして「障害者の安楽死を進める法案可決」の駆け込み訴えをしたという。この考え、行為のおぞましさは常軌を逸しているとしか言えない。

健常者である警官が飲酒運転をして事故を起こすということがある。アルコールによる精神異常である。また、さみしさや苦しさを紛らわすために覚せい剤を使用して、普通では考えられない事件を起こすこともある。薬物によって、精神がコントロールできなくなるのである。

ただ、精神が蝕まれたからといって、障害者を襲うという行為に出るというのは、日頃から男自身の考え方に「障害者蔑視」の種があったからとも言えるかもしれない。

教育者になりたいという男が「障害者蔑視」というのは、ブラックな話でもある。

それが現実に起こったということ。私たちの社会の病巣が知らず知らずに深く大きくなってきているのかもしれない。ガンのように。ヘイトスピーチ、トランプ現象、テロ、安倍無能施策による日本社会の数々の歪み。世界中が脆弱な社会構造になってきているのである。